聖書の正典、と祈り (WCF 1:2-3)

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ウェストミンスター信仰告白1章2〜3節

2「聖書すなわちしるされた神のみ言葉という名の下に、今では、旧新約のすべての書が含まれている。それらは、次のものである。
  旧約聖書では、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記、ヨシュア記、土師記、ルツ記、サムエル記上、サムエル記下、列王紀上、列王紀下、歴代志上、歴代志下、エズラ記、ネヘミヤ記、エステル記、ヨブ記、詩篇、蔵言、伝道の書、雅歌、イザヤ書、エレミヤ書、哀歌、エゼキエル書、ダニエル書、ホセア書、ヨエル書、アモス書、オバデヤ書、ヨナ書、ミカ書、ナホム書、ハバクク書、ゼパニヤ書、ハガイ書、ゼカリヤ書、マラキ書。
 新約聖書では、マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネによる福音書、使徒行伝、パウロのローマ人への手紙・コリント人への第一の手紙・コリント人への第二の手紙・ガラテヤ人への手紙・エペソ人への手紙・ピリピ人への手紙・コロサイ人への手紙・テサロニケ人への第一の手紙・テサロニケ人への第二の手紙・テモテへの第一の手紙・テモテへの第二の手紙・テトスへの手紙・ピレモンへの手紙、ヘブル人への手紙、ヤコブの手紙、ペテロの第一と第二の手紙、ヨハネの第一・第二・第三の手紙、ユダの手紙、黙示録。これらはみな、神の霊感によって与えられており、信仰と生活の規準である(1)。」
参考聖句: 1 ルカ16:29,31、エペソ2:20、黙示22:18,19、Ⅱテモテ3:16
3「普通に経外典と呼ばれる書は、神の霊感によるものではないから、聖書の正経典の一部ではない。従って神の教会内では何の権威もなく、ほかの人間的な文書と違ったどのような仕方ででも是認されたり使用されてはならない(1)。」
参考聖句: 1 ルカ24:27,44、ロマ3:2、Ⅱペテロ1:21

聖書と思い巡らし

 『聖書』という本の内容は数々の書簡を含みます。どれがそれに含まれる「正典」(canon)かは、教会が昔から、聖霊様の教えによって、神様の直接の啓示(けいじ)であると受け止めた書簡です。日本語や英語に訳された聖書では、それは66巻です。※⑴

 また、聖書以外の書物は色々あり、それぞれには役立つ知識や提案はあるかもしれません。しかし、どんなに良い本(あるいはユーチューブチャンネル?)でも、聖書のように重んじてはいけません。ローマ・カトリック教会の聖書には「外典」とも呼ばれる書簡はあります。(日本の新共同訳に入っている場合はあります。)しかし、そのような物は聖書の正典と認められないことを信仰告白1章3節が注意します。

黙示録22章18節 「私は、この書の預言のことばを聞くすべての者に証しする。もし、だれかがこれにつけ加えるなら、神がその者に、この書に書かれている災害を加えられる。」

 奇跡が聖書より説得力あり、他の書物はより役立つと思う人はいますが、イエス様が教えられた、金持ちとラザロのたとえ話ではそうではありません。

ルカ16章29〜31節「アブラハムは言った。『彼ら〈亡くなった金持ちの、不信仰な兄弟たち〉にはモーセと預言者がいる。その言うことを聞くがよい。』」  金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ。もし、死んだ者たちの中から、だれかが彼らのところに行けば、彼らは悔い改めるでしょう。』アブラハムは彼に言った。『モーセと預言者たちに耳を傾けないのなら、たとえ、だれかが死人の中から生き返っても、彼らは聞き入れはしない。』」

 旧約聖書を指す「モーセと預言者」にこそ助けがあります。もっと言うと、新約聖書がさらにはっきりと示すキリストに永遠のいのちがあります(ヨハネ5章39節参照)。聖書のみ、聖書こそ、永遠のいのちに導きます(第二テモテ3章15節)。

 聖書のみが「信仰と生活の基準である」(信仰告白1章2節)とは、要するに、霊的な事については、これだけで十分です(1:1・6参照)。後の節で見るように、他のところからも知恵を借りていいですが、絶対的な違いがあることを覚えて、扱う必要があります。

マタイ4章4節 イエスは答えられた。「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばで生きる』と書いてある。」

祈り

 天のお父様、私たちを生かすために、パンだけではなく、あなた様のみ言葉をも下さったことを感謝いたします。与えられた66巻をますます深く知り、神様のことと神様が求めておられる御心を知ることができますように、それらを預言者や使徒たちに書く導きを下さった聖霊様が理解する助けをも賜いますように。他に好きな本や番組、ポッドキャストがあっても、聖書を読む内に、聖書が何にも優る宝物であると確信させてください。そこで知る神様の素晴らしさを常に思わせてください。主イエス様の御名を通して祈ります、アーメン。

※⑴ちなみに、ユダヤ人の(旧約)聖書に並べてある順番は異なりますが、内容は旧約聖書と同じです。

※引用:(1)聖書箇所は原則、新改訳2017 (©2017 新日本聖書刊行会)の引用です。写真も新改訳2017 版聖書の目次のイメージです。
(2)「ウェストミンスター信仰基準」日本基督改革派教会大会出版委員会編、1994、新教出版社。1964年訳 日本基督改革派教会信条翻訳委員会。

The Biblical Canon, in Japanese. Westminster Confession of Faith 1:2-3

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